この前自動販売機について、枯れた
技術ではなくて、研究開発は継続されて
いるぞ、という話を書きました。
今回は、自販機はさらに進化しているぞ
という話です。
東京の築地ニ丁目に「株式会社ブイ
シンク」という会社があるのですが、
ここの事業内容は、広帯域ネットワークを
利用したコンテンツ配信、システム(サーバ、
端末、ネットワーク等)の企画・開発・構築、
携帯端末を利用した認証・課金・決済
システムの企画・開発・運用音楽、映像等
デジタルコンテンツのネットワーク配信
サービス事業と書かれています。
(資本金は817,397,500円、設立1998年、
売上高約6億5百万円(経常及び純利共、
赤字でしたが、平成27年9月期で黒字に
転換しています)、従業員数19名)
ということで、なんかよくわからない
むずかしい研究開発をしているのかな?
ということで、特許出願を調べると、以下の
ように、電子広告システムやサイネージ
システム(電子広告システムの一種です)が
メインなのですが、自販機などもあるんです。
ホームページを見てみると以下のように
なっており、大型のタッチパネル液晶を
装備し、カメラセンサ等を活用し、外国人
旅行者多言語対応、各種情報のインフラ
提供をしているそうで、2015年9月3日に
販売開始となっています。
http://www.v-sync.co.jp/products/smartvendor.html
田舎もんのため見たことがありませんが、
東京ではどこかに備え付けられているの
でしょうか?
ということで、現物を見ることができません
ので、特許出願からテクノロジー?を
覗いてみましょう。
まずは、特開2012-108713「インテリ
ジェント自販機」です。
(この発明は、残念ながら、「ほかの人が
もう発表してしまってるし、ほかの知ってる
技術からも、容易に発明できるよねー」と
言われてしまい(特許法的には、29条
1項3号と29条2項の拒絶理由が
通知され)、これに何ら応答しなかった
ため、拒絶査定となっています。
残念ですね。)
【課題】広告やニュース情報を放映する
デジタルサイネージ機能に商品の自動
販売機能を有する自動販売機を付与して
顧客満足度の高いインテリジェント自販機を
提供する。
【解決手段】センタとインターネットを介して
接続し、商品を保管し、保管している商品の
購入を決済後、顧客に商品を提供する
自販機部と、センタから送信される広告・
ニュース情報、商品情報、決済情報を
切り替えて表示するデジタルサイネージ部と、
該自販機部とデジタルサイネージ部の
制御を行う制御部およびセンタと通信を
行う通信部より構成され、顧客が、該
デジタルサイネージ部に表示された該
商品情報のなかから購入したい商品を
LCD画面へのタッチで指定した後、
該自販機部で該商品の決済を行い、
該決済した該商品を提供する。
もう一つ、顔認識の、特開2013-003817
「顔認識による環境理解型制御方式」を
見てみましょう。
(こちらのほうは、審査請求をせず、みなし
取下げとなっています。もったいないですね。)
【課題】顔認識処理機能を活用して顧客の
受容性が良好で安心安全なディジタル
サイネージ装置、自販機装置、防犯監視
装置を実現する。
【解決手段】ディジタルサイネージ装置、
自販機装置、防犯監視装置に設置した
カメラ機能を用いて所定の間隔で映像を
撮影し、撮影した映像の顔属性情報を
抽出し、事前にIDを付加して記憶して
いた顔属性情報とIDで比較し、比較結果が
不一致ならそれぞれの顔情報に対応した
IDを新規に設定し、新規に設定したIDと、
今回検出した検出環境属性を記憶し、
前記の比較結果が一致なら、一致した
IDと今回の検出結果で検出環境属性を
更新したのち記憶し、記憶されたID、
顔属性および検出環境属性の更新
履歴情報に基づいて、背景と人物の
識別を行うとともに、対象とする機器の
制御を行う
50歳代の美魔女?が18歳などと
認識されたらうれしいですね??
(当人には、何歳と認識されたのかは
わからないわけですが)
ホームページでは、この自販機の
名前が「スマートベンダー」となっていて
商標登録されているのかな?と調べて
みると、
商願2015-011133 「スマートベンダー」
「指定商品:自動販売機」で、平成27年
2月6日に出願されているのですが、
「商標登録の要件満たしてないし、
他人の登録商標にも似てるし、登録
できないよねー」と言われてしまい
(商標法的には、拒絶理由第3条各号
及び、第4条1項11号の通知がされ)、
拒絶査定となってしまっています。
こちらのほうも残念!!
現在、なんでもつながるIoT(いろんな
ものとインターネット接続するものですね)
というのがおおはやりで、冷蔵庫などの
コンスーマー製品も狙っているかもしれ
ませんので、注目して見て行きましょう。