はい、これにお答え致しましょう。
まずは、「ホッチキスの歴史」で検索を
かけると、マックスさんの「ホッチキスの
歴史」というのが出て来て、ウィキとか
いろんな記事が出てきますが、皆同じ
内容ですので、このマックスさんの記事を
参考にしているのではないかと思います。
https://wis.max-ltd.co.jp/op/h_story8.pdf
ここでは、「日本人によるホッチキスの
発明は、特許公報によると明治45年「自働
紙綴器」発明者は垣内清八氏、大正元年
「A式綴紙器」発明者は天野修一氏らが
最初。「自働紙綴器」はかなり大型のよう
ですが、「A式綴紙器」はホッチキス社製
の物とよく似ています。」となっています。
ここで、大正元年の天野さんの特許第
24259号は番号がわかりますので簡単に
調べることができますが、垣内さんの
ものは番号が書いてありませんので、
いろいろWEBを調べましたが、特許
番号が載っているものはありません
でした。
ということで、私のほうで、まずは、
垣内さんの特許と、天野さんの特許を
調べて、抜粋掲載致しましょう。
調べ方に興味がある方は、現在連載
している、「J-PlatPatを使い倒そう」
シリーズを見てください。
使用する特許分類は、ファイルインデッ
クス(FI)のB25C5/00「手動可搬型ステー
プラー」です。
そうすると、ずらーっと出てくるの
ですが、垣内さんの特許は、出願が明治
44年7月12日、登録が明治45年3月20日、
第21839号となります。
それでは、もっと古いものはないのか?
というと、あるんですね、これが。
これより古いもので、実用新案が3件、
特許でも3件あるんです。
ということですが、まずは、垣内さんの
明治45年3月登録のものを見てみま
しょう。
総ページ数8ページですが、1頁目と
第1図は以下となります。
結構大掛かりですね。
次の天野さんのものは、特許第24259号、
出願が大正元年12月2日、登録が大正
2年7月8日となって、以下となります。
それでは、これ以前のものはどんな
ものかというと、以下のようになるん
です。
(実用新案法は、明治38年7月1日
施行開始です。
以下の表は、古い漢字は新しいもので
記載しています。
ちなみに、天野さんの、A式というのは、
その当時、自分の名字や名前の頭文字の
スペルを採って、発明の名称を「何々式~」
とするのがはやっていましたので、
名字の頭文字のスペルで、A式としたん
です)
垣内さんより古いもので、何ページも
あるものは、図だけを抜粋貼付します。
・ 実明2364
・特明13293
・特明14569
・実明7635
・実明14163
・特明20167
ということで、質問への答えとしては、
垣内さんの特許は結構大掛かりなもので
した。
それ以前にも、「ホッチキス」特許は
あって、残念ながら、垣内さんの特許は、
日本での第1号ではなかったようです。
結構大掛かりなものから、簡易的なもの
まで、考案、発明されていたようですね。
ちなみに、時代が新しくなると、以下の
ような今の原型に近いものとなっていますし、
堂々と、考案の名称を「ホッチキス」などと
してるんです。
以下は、マックスさんの前身の、山田
興業最初の登録ではないかと思います。
戦後まもなくは、こんな登録もあり
ましたよ。
マックスさんの前身の、山田興業名
での登録は以下が最初となるんです。
ちなみに、ちなみに、ホチキスやホッチ
キスなど、もう普通名称化していますが、
文字を図形化した以下の商標は、第4082534
号として、マックス株式会社さんから
1997年に商標登録されています。
(指定商品は紙綴機です)
「ホッチキス」という文字商標の登録も
マックスさんからありますが、さすがに
紙綴機での指定商品登録ではありません。
(第4766203号)