またまた、JSTさんから、新技術説明会の
案内が来ていましたが、今回は「AMED 生体
イメージング」だそうで。
どんな技術があるのか、ちょっと見てみま
しょう。
まずは、「動脈硬化を検出するための近赤外
蛍光プローブ」で、北海道大学の小川美香子
先生の研究成果です。
https://shingi.jst.go.jp/kobetsu/amed/2016_amed/tech_property.html#pbBlock16145
り画像化する技術だそうで、近赤外蛍光を用い、
メタボ健診、頸動脈エコーにより形態的異常が認め
られた患者に対する精密診断、他の疾患へも
応用できるそうで。
ということで、メタボ一歩手前の私ですので、
興味津々でどんな発明か調べてみましょう。
小川先生の出願は上のようになり、動脈硬化
プラークに関係するのは、特許4575692と
特開2015-151349ですが、特許4941926も
画像診断用の薬剤ですので、まず、これから
見てみましょう。
(この出願人は、浜松医科大学と、浜松ホト
ニクスさんです。)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断に使用するための診断用
薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
神経(変性)疾患において、当該疾患に伴う形態
学的な変化を核医学的手法により描出した画像
にて診断{画像診断(イメージング診断とも呼ば
れる)}する試みがなされている。
この画像診断では、先ず、上記疾患に伴い発現
量の増減する標的物質を同定する。そして、標的
物質に対して親和性を有する診断用薬剤(放射性
核種を有する化合物であり、イメージング薬剤とも
呼ぶ)を患者に末梢投与し、生体内(インビボ)に
おいて標的物質と結合させる。そして、標的物質に
結合の診断用薬剤から発生する放射線を基に、
撮像装置{Single photonemission CT (SPECT)}
にて、標的物質の増減(形態学的な変化)を描出
した画像を得る。
ということで、まずは、疾患の標的物質にくっつき
やすい薬剤(化合物)を決定する必要があるんですね。
そこで、上記疾患には、以下が有効なんだそう
ですよ。
【要約】
【課題】
nAChR-α7を標的物質とするイメージング
薬剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1):
【化1】
(上記式(1)中、R1~R6のうちの少なくとも1つは、
放射性核種で標識の残基であることを示す。)で表さ
れる診断用薬剤。
それでは、まずは、特許4575692は以下のように
なるんです。
【要約】
【課題】
核医学イメージング薬剤の開発を目的とし、その
不安定化に深く関与することが報告されている酸化
LDL受容体LOX-1を標的分子とする薬剤を
提供する。
【解決手段】
放射性核種で標識された抗LOX-1抗体を
有効成分として含有するLOX-1診断用薬剤。
放射性核種で標識された抗LOX-1抗体は、
下記式(I)で示される化合物であることが好ましく、
抗LOX-1抗体は配列番号1のポリペプチドに
結合するモノクローナル抗体であることが好ましい。
また、この薬剤は、キットの形態で提供できる。
【化6】
(上記式(I)中、Yは抗LOX-1抗体の残基、Mは
放射性金属原子、TおよびAはコリガンドを示す。)
次の特開2015-151349を見てみましょう。
【要約】
【課題】
本発明は、標的細胞への特異性及び集積性が
高く、かつ非標的細胞からの蛍光シグナルが十分に
抑制された蛍光標識用プローブを提供することを
課題とする。
【解決手段】
生体内の標的細胞に蓄積して蛍光を発する蛍光
標識用プローブであって、2以上の蛍光物質が互いに
リンカーにより連結された分子が内包されたリポソー
ムからなり、前記リンカーが、前記標的細胞内に
発現している酵素による切断部位を有するペプチド
であり、前記蛍光物質は、自己消光性を有しており、
前記リポソームは、ホスファチジルセリンを含有する、
又は表面が前記標的細胞の細胞表面に存在する
受容体のリガンドにより修飾されていることを特徴
とする、蛍光標識用プローブ。
背景技術】
【0002】
などを引き起こす。したがって、不安定プラークを
早期に検出し適切な治療を行うことが重要である。
不安定プラークを検出する方法としては、これまでに、
試みられている。しかしながら、プラークの破綻には、
形態的には検出されない分子レベルでの変化が
直接的な原因となり得ることから、形態に依存せずに
検出できる方法が望まれている。本発明者らはこれ
までに、不安定プラークにはマクロファージが多く
浸潤していることに着目し、核医学分子イメージング
法である[18F]FDG-PETにより、不安定
プラークを画像化することに成功した。
しかし、PETは大がかりな設備を要し、イメージング
薬剤を用事合成しなければならない上に、放射線
被曝の問題があることなどから、検診などのスクリー
ニングに用いることは難しい。これに対して、蛍光
イメージングは、簡便で低侵襲であるため、リスク
患者のスクリーニングに有用である。
【0003】
また、癌は依然、我が国における死因第一位であり、
その対策が急務である。近年、PETやMRI、CT
などによる画像診断技術の進歩に伴い、癌の早期発見が
可能になってきた。一方で、早期発見により手術適用
になった場合であっても、数年後に再発する症例も
少なくない。これは、術中の病巣の取り残しが原因の
一つであると考えられる。そこで、取り残しを無くすべく、
肉眼では発見が困難な微小癌や周囲正常組織との
判別が困難な癌を術中に高感度で描出可能な、蛍光
分子イメージングプローブの開発も望まれている。
ということで、小川先生たちのグループは、
「【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内の標的細胞に蓄積して蛍光を発す
る蛍光標識用プローブであって、標的細胞への特異性
及び集積性が高く、かつ非標的細胞からの蛍光シグナ
ルが十分に抑制された蛍光標識用プローブに関する。」
という発明に至ったわけですね。
テレビなどで、首などの動脈にプラークができて
いると、それが剥がれて脳の血管に詰まって死に至る、
などとやっていますので、早いとこ診断方法を確立
してもらえるとありがたいですね。
(診断が必要ない体にするほうが重要ですが)