以前に、大企業の特許技術を中小企業が
応用する、通称「川崎モデル」の話を以下の
ように書きました。
この前、この川崎モデルで他の企業の話が
新聞に載っていたのですが、今回は、さらに、
新聞には載っていなかった応用事例の話を致
しましょう。
実は、以下のように、富士通さんの特許技術を
生かして、川崎の株式会社末吉ネームプレート
製作所さんが、抗菌塗料を開発し、これを塗布した
抗菌シートを製造し、これを、関東の京急さんが、
自動券売機のタッチパネルに試験導入しているん
です。
http://www.k-monobrand.com/product/b07/sueyoshi/index.html
末吉ネームプレートさんのHPはこちら。
京急さんの発表資料によると、一定時間
経過すると、大腸菌などが消滅するそうで。
（ということで、「しめしめ、これで、トイレの
後でも手を洗わなくても、他人に迷惑は
かからんぞ。」、てなことを考えているのは、
私だけ？？？）
冗談はさておき、試験導入は2016年の2月から
9月までの間だそうですので、京急川崎駅や、
羽田国際線ターミナル駅を使う方は、「おー、
これか！」と言いながら試用してみてください。
「富士通さん、こんな抗菌関係も研究してたん
だね。」、などと、つぶやきシローさん状態で、
プラピ（J-PlatPat）さんで検索してみると、
40件以上の登録がされていますので、チタン
アパタイト関係の製造方法などで絞ると、
まあ、いろいろありますが、特許4319184
た物品」を、見てみることに致しましょう。
これは、特許出願が2005年、特許登録が
2009年となり、以下のような内容になるん
です。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、空気浄化、水浄化、汚れ分解、抗菌、
殺菌等の機能を有する物品、たとえば、空気清浄機、
エアコンディショナーのフィルター、壁紙、カーテン等に
使用される、新規な光触媒に関する。なおここで、
光触媒とは、紫外線等の光線により、近接する有機
化合物や細菌などの有害物質を分解することのできる
材料と定義することができる。
「そうなんですかー。 だからプラピさんで検索すると、
チタンアパタイトを使って殺菌効果を狙った、ほかの
人からの、「光触媒を用いたメガネフレーム」などの
出願もヒットするんですね？」
【背景技術】
【０００２】
光触媒チタンアパタイトは各種物質に対し優れた
吸着特性を示すことが知られている。
「ふむふむ。」
【０００３】
しかしながら、チタンアパタイトは、通常粉体の形態を
当たりの吸着特性が低い。従って、空気浄化等の応用では、
さらなる吸着特性の向上が必要である。
「知りませんでした、です、はい。」
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は、上記問題を解決し、新規な、各種物質に
対する吸着特性および分解特性に優れた光触媒を
提供することを目的としている。本発明のさらに他の
目的および利点は、以下の説明から明らかになるで
あろう。
「明らかになりますかー。」
【０００５】
本発明の一態様によれば、多孔体をチタンアパ
タイトで被覆してなる光触媒が提供される。
「まずは物の発明なんですね。」
【０００６】
細孔が存在すること、前記チタンアパタイトが共沈法に
より形成されたものであることまたは、前記チタンアパ
タイトがゾルゲル法により形成されたものであること、
こと、が好ましい。
「製造方法は、共沈法やゾルゲル法なんですね？」
【０００７】
本発明の他の一態様によれば、多孔体にチタン
アパタイトを被覆してなる光触媒の製造方法であって、
共沈法によって生成したチタンアパタイトを多孔体上に
析出させる光触媒の製造方法が提供される。
「さらに読めば、さらに明らかになるんでしょうが、
もう、このへんで、大分明らかになりました、です、
はい。」
ということで、効果のほどは、以下のようですので、
トイレで手を洗わなくなる人が増えるかも？？？
（そんなことはないですね。）
というように、川崎モデルが増加していますので、
アイデアの宝庫の開放特許情報データベースを活用
致しましょう。