この前、新聞に出ていたのですが、
東レさんが砂漠の緑地化に取り組んで
いるそうですね。
以下は、ちょっと古いですが、東レさん、
いろんなことをやっているんですね。
http://www.sankei.com/premium/news/150527/prm1505270001-n1.html
どんなことをやっているのかを特許
出願から調べると、以下のようになるんです。
(以下は、ニットメーカーのミツカワさん
との共願です。)
・ 特開2008-291636「砂移動防止工法、
それを用いた砂地における植生の形成・
改良方法および柱状砂嚢用筒状編地」
(特許5087462号)
【課題】
砂嚢の材料として、軽量で折りたたみ性
に優れ、砂漠地帯などでも輸送が容易で、
かつ作業者の負荷を軽減し作業性が良好で、
資源の使用を極少とすることができる砂嚢を
用い、砂移動防止工法およびこれによる植生の
改良方法を提供する。また、それらの砂移動
防止工法および植生の形成・改良方法に
最適な砂嚢用の筒状編地を提供する。
【解決手段】
筒状編地で形成し、内部に砂を充填した筒
状砂嚢を複数本交差させて砂地面上に載置し、
砂の移動を防止する砂移動防止工法であり、
好ましくは、筒状砂嚢の載置ピッチが3~30
本/10mで、筒状砂嚢の断面積が10~400
cm2である砂移動防止工法、また、交差載置
された筒状砂嚢の間の砂地面において所望の
植物を育成する植生の形成・改良方法を提供し、
筒状砂嚢用は、ポリ乳酸繊維を用いて製編
された筒状砂嚢用の筒状編地とする。
・ WO2013/054859「植生基盤および植物の
育成方法」
【要約】
本発明は、脂肪族ポリエステルからなるマルチ
フィラメント繊維の編成からなり、運搬性に優れ、
かつ紫外線劣化に優れた植生基盤を提供する。
本発明は、脂肪族ポリエステルからなるマルチ
フィラメント繊維を編成し、かつ培養物を充填
した筒状編地を隣接して並置した植生基盤、
あるいは、隣接して並置された2つの筒状編地
から構成され、上方に生じる凹部に培養物が
載置されていることを特徴とする植生基盤に
関する。
【0001】
本発明は、植物の育成方法及びそれに使用
される植生基盤に関する。さらに植物が育ち
にくい荒地の緑化法などとして好適に用いる
ことができるとともに、耐紫外線劣化特性に
優れ、植生を形成させた後でも、所望に応じて
移動させることや運搬することもできると
いう点にも優れ、また土壌の改良・改善を
伴ってかつ植物を育成することができる植生
基盤とそれを用いた植物の育成方法に関する。
「ふむふむ。」
【0002】
近年、植物が育ちにくい荒地の緑化方法として、
一般に、その土地に育ちやすい特定の植物の苗や
幼木を直接植える方法がある。地表部分の土壌を
入れ替えて一般的な植物が育ちやすい土壌に改良
した上で、苗や種子を植える方法もある。
「そうですね。」
【0003】
しかし、これらの方法では、いずれも多大な作業と
かなりの労力を必要とするものである。
「労力が必要ですか。」
【0004】
一方、比較的簡単に、軽量で厚みが薄く施工場所
が限定されず、植生用の基盤を容易に形成できる
植生基盤形成体用側地と植生基盤形成体と、
それを用いた植生の形成方法に関する提案として、
合成繊維糸を編成したJISL 1018に基づく
編地の恒長式番手表示におけるカバーファクター
値が5~20であり、かつ破裂強度が300
kpa以上の丸編地からなる筒状の植生基盤形成
体用側地や培養物が充填された植生基盤形成体に
ついての提案がある。
「ありますかー。」
【0005】
しかし、この方法は、地覆植物などを用いて編地
全体を覆った場合は紫外線での劣化は少ない。
しかし、編地全体を覆わない植物を用いた場合は
覆われていない部分の編地が紫外線によって
経時的に劣化するという問題があった。
「経時劣化が問題なんですね。」
【0006】
また、同様な筒状の編地の側面の一部に穴を開けて
内部の培養物を露出させて、そこに種子や苗を
植えて根付かせるという方法も提案されているが、
穴から培養物が漏れたり、穴部分から編地が裂ける
などの問題があった。
「いろんな問題があるんですね。」
【0007】
また、砂漠地帯などに植物を植えて緑化をする
手法として、円筒形の編地からなり、内部に砂を
充填させた砂嚢を用いて、特定のピッチで砂の
上に載置する方法が提案されている。この方法は、
砂漠地帯の風による砂の移動を防止して、砂漠に
植物を根付かせ、植生の形成・改良を行うという
ものである。具体的には、筒状編地で形成され
、内部に砂を充填した筒状砂嚢を複数本交差
させて砂地面上に載置し、砂の移動を防止する
砂移動防止工法である。好ましくは、筒状砂嚢の
載置ピッチが3~30本/10mで、筒状砂嚢の
断面積が10~400cm2である砂移動防止工法
である。その結果、交差して載置された筒状砂嚢と
他の筒状砂嚢の間の砂地面において所望の植物を
育成するという、植生の形成・改良方法が提案
されている(日本国特開2008-291636号公報)。
「先ほどの公開文献ですね。」
【0008】
しかし、この特許文献3にて提案の方法では、栄養分
の少ない地面の露出面に植物の種や苗を直接植える
ために、結局は、植物の成長が不安定なものであった。
積極的に植物を成長させる植生基盤が期待されていた。
「あらあら、特許になっているのに、まだまだ
不満だったんですか?」
【0010】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、従来の
植生基盤や従来の植生方法の問題を解決し、植物が
育ちにくい荒地の緑化法や、本来は土壌がない場所
でも植物を育成する方法、及びそれに好適に用いる
ことができる植生基盤を提供する。
「先ほどの特許をさらに改良したんですね?」
ということで、東レさんの環境活動に、期待を
致しましょう。