血液一滴で、がんをチェックできる方法を
開発している、という話で、おおいに盛り上が
っています。
(「誰も盛り上がってねーぞ。」という意見は、
スルー致しましょう。)
その一つに、2015年の6月に発表された、
病院などのグループの、血液一滴、3分以内で
がん診断、というものがありました。
内容は記事を見ていただくとして、1年以内の
臨床応用を目指すとなっていますが、まだ臨床
応用に入ったという話が聞こえて来ません。
マイテックさんのHPは以下。
この技術については、すでに特許を取得して
いるという論調の以下のような記事もありますが、
まだ特許化はされておらず、公開だけはされて
いますので、ちょっと見てみましょう。
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10636.html
・特開2014-238382「癌関連物質の定量方法」
出願人は有限会社マイテック、発明者には、
マイテックの長谷川裕起さんや、昭和大学江東
豊洲病院の伊藤寛晃さんなどが名を連ねています、
【課題】
癌細胞由来の遊離DNA等の癌関連物質の
ラマン定量分析方法の提供すること。
【解決手段】
銀ハロゲン化物又はハロゲンを含む銀酸化
物の複合針状ナノ結晶群を含む領域を有する
ナノ結晶群領域に血清又は生体試料液を滴下し、
試料中の正電荷を有する癌関連物質を選択
的に吸着し、吸着した癌関連物質に対しレーザー
照射してそこからのラマン散乱光を検知する
工程を含み、レーザー光照射により吸着した
遊離DNAの表面増強ラマン散乱(SERS)
中のクロマチンピークを検出して癌疾病を
判定する。
ちなみに、ラマン分光法というのは、入射光
とは異なる振動数の光が散乱される現象を用いる
分析手法で、C.V.Ramanが1928年にこの現象を
見つけ、非弾性散乱によるものということを
解明したことにより、1930年に、ノーベル賞を
受賞しています。
ということで、そのほかにも特開2014-238384
「ラマン定量用バイオチップ」、 特開2015-182923
「過酸化銀を含む銀酸化物メソ結晶及びその製造
方法」、 特開2016-044993「ヒストン化学修飾
判定による癌診断方法」などの出願がありますので、
是非頑張っていただいて、3種類でもよいですので
(すい臓がん、胃がん、大腸がんだそうです)、
血液一滴でがんチェックができるようにして
ください。
次回は、血液一滴で、13種類のがんを検査
できるという、AMEDの、「体液中マイクロ
RNA測定技術基盤開発」を調べることと致し
ましょう。