この前、新聞に、アサヒコーポさんの、
「快歩主義」という靴の話が出ていました。
アサヒコーポさんの本名?は、「株式
会社アサヒコーポレーション」、創業は
1892年、本社は福岡県久留米市、資本
金が8億4千万円、年商106億円、
従業員数844名で、以下に、「快歩主義」
もあります。
「快歩主義」は、以下のように商標登録
されていますので、指定商品に使うと
怒られます。
創業120年以上ということで、以下のように、
随分古いカタログがありますね。
新聞では、中国における人件費の上昇から、
靴メーカーが国産回帰を始め、日本でしか
できない加工で付加価値の高い靴を作り、
コスト低減一辺倒からの脱却を始めている
という話でした。
アサヒコーポさんでは、以下のような、靴の
上部とゴム底を、1時間から1時間半をかけ
て圧着するバルカナイズ製法で製造し、ゴム
に練り込まれた硫黄が架橋反応(おーっと、
むかーし昔のその昔、中学だか高校の化学で、
架橋反応というのを勉強したような覚えがあり
ますが、すっかり忘れてしまっていますね。)に
より、靴の柔らかさと復元力を両立させ、足に
吸いつくような履き心地を可能にしているそう
です。
これも久留米にある、子供靴大出のムーン
スター(昔の名前は月星ゴムさんですね)さん
でも、やはりバルカナイズ製法で作ったスニー
カーを、「ファインヴァルカナイズ」ブラン
ドで販売しているそうです。
ということで、バルカナイズ製法ってどん
な発明なんだ?と思ってアサヒコーポさんの
特許出願などを調べると、以下のものがあり
ますが、あまり詳しくないですね。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/PU/JPB_H06057165/C1E4F0B464142235EBC38F3E27C2A975
ということで、そもそもバルカナイズ製法っ
て誰が発明したんだというのを調べると、
もともとはグッドイヤーさんが発明したん
ですね。(タイヤ会社のグッドイヤーは、
このグッドイヤーさんとは関係ないですが、
グッドイヤーの創業者のSeiberlingさんが、
1898年にGoodyear Tire & Rubber Companyを
創業するときに、バルカナイズ製法を発明
したグッドイヤーさんの名前にちなんで
つけたそうですよ。)
https://corporate.goodyear.com/en-US/about/history/beginnings.html
ということで、「グッドイヤー出て来いやー。」
と、高田延彦さんばりに叫ぶと、出てきましたね、
US特許番号3633番、「IMPROVEMENT IN
INDIA-RUBBER FABRICS」というもので、
天然ゴムに、鉛白と硫黄をちょちょいとまぶし、
温度を華氏270度(132℃ぐらいです)に
制御して、熱してからさますと、あーら不思議、
太陽光や熱に強く、その温度以下では柔らかく
ならず、さらに、テレピン油などのオイルにも
強くなるという発明が、1844年に登録され
たんです。
知りませんでした、です、はい。
ちなみに、この前、和風総本家という
テレビ番組では、昭和26年に、日本で初め
て安全靴を製造した青木産業(株)(青木
安全靴製造(株))が紹介されていて、ゴム
底と上甲革部分をくっつける製法を、
「直接加硫圧着製法」という日本語の呼び
方で紹介していましたよ。