前回は、簡易検索の、「商標を探す」で、
「特許」と、「ライオン」の両方の言葉が
入っている公報を調べてみたら、ヒット
してきたものには、全然、「特許」という
文字など含まれていないものがヒット
している、というところで終わりました。
今回は、このからくり??を調べて
行くところから始めましょう。
実は、「商標を探す」にした場合に、
どこにその言葉が入っているのか?と
いうのは、「商標」、「称呼」、「出願人/
書換申請者/権利者/名義人」という
フィールドにその言葉が入っていれば
ヒットしてくれるんです、とマニュアル
には書かれています。
つまりは、「特許」と入れて、商標が、
「特許太郎」だったら、商標に「特許」が
入っているねということで、ヒットして
くれるのはわかります。
したがって、「特許」と「ライオン」を
ANDすなわち論理積で調べてねとお願いした
場合、「商標」、「称呼」、「出願人/
書換申請者/権利者/名義人」のいずれかに
「特許」が入っており、さらには、「商標」、
「称呼」、「出願人/書換申請者/権利者/
名義人」いずれかに「ライオン」も
入っている文献を検索してくれるのか?
というとちょっと違うんです。
これを簡単な例で示してみましょう。
まず、「学校」と入れてみましょう。
言葉一つだけですので「AND」でも
「OR」でも関係ないですが、とりあえず
ANDを入れて検索しています。
(一覧表示にして貼り付けると小さくなって
しまうので、一覧表示結果は、貼り付けて
いません。)
次に「高等」と入れて絞り込むと、1件と
なりました。
さらに「大学」と入れると0件になって
しまいます。
当然ですよね、1件しかなかったのです
から、さらに絞り込めるわけがありません。
しかーし、ここで、「ライオン」と入れて
みましょう。
そうすると、「あーら、不思議」、600件に
なってしまうんです。
「えーっ、andで絞り込んだはずなの
にー、逆に多くなってんじゃん???」
っていうところですよね。
マニュアルを見ても、以下のように、
AND検索ができますよーとしか書かれて
おらず、言葉を入れていけばどんどん
絞り込めるものと思ってしまいます。
なぜこのような結果になるのか?と
いうと、カタカナを入れると、「称呼」
での検索が優先されてしまうんです。
すなわち、「称呼」検索が優先されて、
「称呼」検索では、必ずカタカナで検索
しますので、漢字はシカトされてしまうん
です。
これは、称呼検索が優先されるという
だけで、以下のように、さらにカタカナで
「レオ」と入れてあげると、称呼で、
「ライオン」と「レオ」のANDでの検索は
してくれるんですね。
ちなみに、これはカタカナだけの場合には、
称呼検索が優先されるというだけで、以下の
ように、「カタカナと漢字」や「カタカナと
ひらがな」などが一体となった一つの単語を
構成している場合には、その一つの単語での
漢字やひらがなが無視されるというわけでは
なく、0件となってしまいます。
(すなわち称呼検索ではなく、「学校」や
「高等」と同じ、他のフィールドを検索して
いるんですね)
どうです?
むずいでしょう??
えっへん!!!
と、難しいのをいばっているだけ
ではダメなので、じゃあ、意匠はどう
なんだ?というと、「意匠を探す」で、
「商標」と「ライオン」を入れて、
論理和(orですね)を取ると、906件、
論理積(andです)では普通に、0件に
なってしまいます。
つまりは、論理和の時は、どちらかの
言葉が入っている公報を調べてね、と
お願いしており、論理積の時はどちらの
言葉も入っているものをお願いしている
のですが、なぜこのように商標と違った
扱いになるかというと、意匠のほうでは、
検索対象項目は、「意匠に係る物品」、
「意匠に係る物品の説明」、「意匠の
説明」、「出願人/意匠権者/創作者」
というところを調べており、商標の
場合のように、「おめー、カタカナ
だけで入れろよなー」という、
「称呼」検索のようなものがなくって、
「なんでもオッケー」という、実に
親切な???、検索になっている
からなんです。
(さらに詳細がありますが、割愛します)
ということで、簡易検索では、キー
ワードを入れるところには、半角のみ
では200文字まで、全角のみでは100
文字まで入れることができますので、
スペースで区切って、AND検索なのか、
OR検索なのかを指定して、いろいろ
考えて、いろんな言葉を入れることに、
致しましょう。
漢字のほうは、JIS漢字コードの
第一・第二水準以外の漢字は、
「おら、そんなのかんけーねー」と
言われてしまいますし、たとえば、
「国」と「國」は、違う言葉と
認識されてしまいますので、気を
付けましょう。
さらに、出願人とか発明者などは、
筆頭者検索というものができて、
「|ライオン」というように入れま
しょう。
尚、「商標出願・登録情報」検索の
ところでも説明しますが、簡易検索でも
特許、実用新案、意匠での出願人は
部分一致(ライオンという言葉が入って
いればオッケー)検索で、商標での
出願人は完全一致検索となります。
したがって、「商標を探す」で
「ライオン」と入れた場合、出願人の
ライオン株式会社等でヒットしている
わけではなく、「称呼」に「ライオン」
が含まれているものがヒットしています。
ということで、下の画面のほうは、
出願人が、「ライオン株式会社」
でヒットしています。
(商標で、「ライオン株式会社」という
ものがあれば、それもヒットしますが、
今回は、「ライオン株式会社」という
登録商標はないようです)
続く。