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Channel: 知財アナリストのひとりごと
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近い将来、満員電車の乗客は、心を落ち着かせてくれる音楽を自動ですぐに作曲演奏してくれる、オートコンポーズミュージックマンを携帯するようになる・・・かも

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 JSTnewsという以下の記事を見ていま

したら、「脳波に合わせて自動作曲」と

いう記事が出ていました。

(以下のP8、P9)

 

https://www.jst.go.jp/pr/jst-news/pdf/2017_05/2017_05.pdf

 

 どんな音楽が好みかは皆それぞれ違う

わけですが、自分にとって、いま最も効果

的な音楽を判断し、音楽をその場で演奏

してくれる、というもので、仕組みは、

脳波を測定し、その楽曲に対する脳の反応に

基づき自動作曲をおこなう人工知能の開発に

成功したんだそうです。

 

 ということで、詳細は、記事を読んでいた

だくとして、まだこの自動作曲をおこなう

人工知能というのは公開されていませんが、

これの前段階の、脳波を計測して好みを判断

するための、特開2017-42562「楽曲聴取経験

有無推定方法、楽曲聴取経験有無推定装置、

及び楽曲聴取経験有無推定プログラム」、と

いうのを見てみましょう。

 

【課題】

 楽曲の聴取時に計測した脳波に基づきその

楽曲の聴取経験を推定する。

 

【解決手段】

 楽曲聴取経験有無推定方法では、聴取経験の

有無が不明な楽曲を聴取している被験者の脳波を

計測して被験者脳波データを取得するステップ

S10と、被験者脳波データから脳波の計測位置

及び強度に関する第1特徴を取得するステップ

S22と、第1特徴を、聴取経験があると判明して

いる既知楽曲を聴取している人の脳波を計測して

取得したデータである第1データ及び聴取経験が

ないと判明している未知楽曲を聴取している人の

脳波を計測して取得したデータである第2データを

用いて作成された、既知楽曲を聴取している状況

及び未知楽曲を聴取している状況の少なくとも

一方に依存して発生する脳波の計測位置及び

強度のパターンであるモデル脳波パターンと照合

して得られた照合結果を用いて、楽曲の聴取経験の

有無を推定するステップS30とを含む。

 

【0002】

  人は音楽を聴くことによって様々な感情が誘発

されることが知られている。そして人が聴いた楽曲と

その人、すなわち楽曲の聴取者に起こる感情との

関係について、生体反応を用いて調査する研究が

行われている。この生体反応とは、例えば脈拍、

血圧、発汗、皮膚電位、体温、眼球運動、脳波等で

 ある。

 

【0003】

  このような研究によって得られた知見は、例えば

楽曲を聴取している聴取者の生体情報を取得し、

その生体情報に基づいて当該聴取者の感情を推定

する技術への応用が試みられている。そしてこの

ような技術を用いて、例えばユーザの現在又は

ユーザの所望の感情・心理状態に合わせて音楽等の

コンテンツ又はコンテンツの再生態様を選択して

再生する装置等が提案されている(特許文献1及び

特許文献2参照)。

 

【0004】

  一方で、感情を推定できる、比較的安価で日常

でも利用可能な方法として上記の生体反応のうちの

脳波を用いられている。上記の特許文献1及び特許

文献2のいずれにおいても、利用可能な生体データを

得る方法の1つに脳波の測定を挙げている。そして

脳波からの感情推定の精度には、脳波の測定時に

聴取している楽曲の聴取経験の有無が影響することが

示されている(非特許文献1参照)。

 

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 ちなみに、参考文献として挙げられている

ものは、いずれもソニーさんの特許で、以下の

ようになりますよ。

 

・ 特許4277173(特開20040246535)

「再生方法、再生装置およびコンテンツ配信

システム」

 

【課題】ユーザの感情心理状態を反映した

コンテンツの選択指定が可能な再生方法を

提供する。

 

【解決手段】

 音声や音楽および/または映像のコンテン

ツを視聴したときの視聴者の生体情報あるい

は当該生体情報の解析結果を、コンテンツの

識別子と対応付けてデータベースに記憶して

おく。音声や音楽および/または映像のコン

テンツの再生に先立ち、ユーザにより指定

された、視聴したい音声や音楽および/また

は映像のコンテンツに対する感情心理状態に

対応するコンテンツを、データベースから、

生体情報の解析結果に基づいて検索して

ユーザに提示する。

 

・特許4396175(特開2005-0056205)

「コンテンツ再生装置及びコンテンツ再生方法」

 

【課題】

 ユーザが意識的にコンテンツ再生を実行する

のではなくユーザの感情状態や体調といった

生体情報に合ったより自然なコンテンツ再生を

行う。

 

【解決手段】

 センサデータ解析部23において体動センサ

32にて検出された信号から心拍、呼吸、体動の

信号パターンを抽出して心拍数や呼吸数を

検出し、さらにこれら生体データより、「快・不快」、

「集中度」、「体動」等の生体情報を算出し、

生体情報に対するコンテンツIDの分布を作成

する。再生リスト作成部19では、収集した生体

情報をコンテンツ分布に適合させることによって、

ユーザの現在の生体情報に最も相応しい音楽

コンテンツを抽出する。

 

 近い将来、満員電車の中で音楽を聴いている

乗客は、皆さん、ヘッドホンならぬ、同じような

ヘッドギアをつけていて、ウォークマンならぬ、

効果的な音楽を自動で作曲、自動で演奏してくれる、

「オートコンポーズミュージックマン」を携帯

しており、心穏やかに通勤できる日が来るのかも?

 

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(オートコンポーズミュージックマンという登録

商標はなく、私の造語です)

 

 

 

 

 


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