この前、生ごみのにおいを甘い香りに
変える香料とその噴霧装置を、ごみ収集
車を製造する新明和工業、シキボウ、山本
香料、凸版印刷で共同開発し、6月上旬に
発売する、という発表がされていました。
発売するのは、以下のように、塵芥車用
臭気対策剤「デオマジック 香り de まじっく」と、
それを効率良く塵芥車庫内に自動散布する
噴霧装置、だそうですが。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=ir_material&sid=72815&code=3109
上のように、良い香りのデオマジックに
不愉快なにおいが加わると、さらに良い香り
にかわるそうですね。
ふ~~ん、不思議なもんですね。
というわけで、「デオマジック」は、シキボウ
株式会社の登録商標です、というわけで。
デオマジックを使った以下のような商品も
あるようですが。
それでは、このデオマジックのおおもとは、
何なんだ?というと、以下のようになるんです。
WO2013/018805「糞便臭抑制用フレグランス、
それを用いたマイクロカプセル化フレグランス、
糞便臭抑制機能付き繊維製品、糞便臭抑制
用ペレット、マイクロカプセル化フレグランス
噴霧スプレー及び糞便臭抑制用スプレー」
出願人:山本香料株式会社・株式会社シバタ
【要約】
糞便臭を香り構成要素の一つとして取り込む
とともに、これを従来の芳香剤等では実現でき
なかったハイグレードな香気に転換することが
でき、さらに香料処方の組み立ても容易な糞便
臭抑制用フレグランスを提供する。
フローラル系香気を有する基調香料成分と、
動物臭系又は油脂系の香気を有する動物性
香料からなり、基調香料成分に基づく前記フロー
ラル系香気を人肌臭と調和する向きに変調させ
て変調植物系香気となす変調香料成分と、
糞便臭系の香気を有する動物性香料からなり、
変調植物系香気をさらに強調して香らせる強調
香料成分と、からなる植物系身体用フレグランスの
目標処方から、強調香料成分のみを除外した
差分処方に従い調合される。目標処方に従う
前記植物系身体用フレグランスよりも単独では
変調植物系香気が弱まって香る一方、糞便臭
系の悪臭が重畳されたとき、該糞便臭系の
悪臭を前記強調香料成分の代替成分として
取り込むことにより、前記変調植物系香気が
強調されて香る。
詳細な説明によると、
一般に、糞便臭など悪臭に対する消臭の手段と
しては、
(1)物理学的手法:悪臭の発生源を蓋などで
空間的に遮蔽する。
(2)化学的手法:悪臭の発生元や悪臭の成分を
分解する。
(3)悪臭を上回る強さで芳香成分を重畳し、
相対的に悪臭を目立たなくさせる(いわゆる、
マスキング効果)。
だそうですが、(1)の方法は、おむつなどでは
困難で、(2)の方法も、完全な分解に時間が
かかったり、あるいは分解反応が均一に進ま
なかったりすることで、効果が不十分となる
場合があり、基本的に糞便臭を消去する方式
なので、好みの問題はあるが芳香による爽快
感が得られないという側面もあり、(3)も、強い
芳香によって糞便臭をいわば無理やり目立た
なくさせているに過ぎず、採用した芳香と糞便臭
とが混ざり合った全体としての匂いは、必ずしも
快適なものであるとは限らない、ということで、
上記の発明となったそうです。
シキボウさんでは、これを、被服に応用
しようとしているようですので、是非、汗の
においや加齢臭なども、さわやかな花の香りに
できるよう、よろしくお願いしまーす。