http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20150414/414180/?ST=health
https://shingi.jst.go.jp/past_abst/abst/p/15/jaea/jaea08.pdf
以前に、上のように、手のひらサイズの
マウス型非侵襲血糖値センサーを開発した、
ということで、非常に話題になりました。
この特許出願が、どんな発明なのか、
見てみましょう。
出願は、再表2016/117520、発明の名称は、
「血中物質濃度測定装置及び血中物質濃度
測定方法」となっています。
【要約】
非侵襲かつ高精度、単純な構成で血中物質
濃度を測定する。
光源10で発生したレーザ光100を被験者の
生体上皮(生体)Fに対して局所的に照射し、
その拡散反射光200が光検出器(光検出部
)40で検出される。ここで使用されるレーザ光
100は、中赤外光であり、その波長は例えば
9.26μmであり、光源10によって発振される。
光源10においては、励起光源11から発振
されたパルス状の励起光101をOPO(光パラ
メトリック発振器)12で長波長に変換すると
同時に増幅することによってレーザ光100が
発生する。導光部20と生体上皮Fとの間には、
中赤外光に対して透明な材料で構成された
略平板状のウィンドウ30が設けられ、ウィン
ドウ30と生体上皮Fとは密着する。モニター
用光検出器16と光検出器40との信号比から
算出される規格化された光強度を用いて
間質液中のグルコース濃度を算出できる。
ということで、商品化には、色々難関が
あるようですが、早く商品化できるといい
ですね。
それでは、他にも非侵襲的な血糖値測定
方法を開発しているものはあるのか?という
ことで、これまた日本の特許出願から調べ
てみましょう。
検索方法は、FIとして
A61B5/14,322:非侵襲的な、血液試料を採取
するための用具(皮下注射器A61M5/00);
生体内の血液特性の測定,例.血流中のガス
濃度,血液のPH値(血圧の測定5/02;血流
中の異物の放射線を用いない検出または探知
を使い、
これだけでは、血糖値測定にはなりませんので、
A61B5/14,322 and 要約(血糖値)
と
要約(非侵襲 or 血糖値)
の論理和をとることに致しましょう。
出願人だけを見てみると以下のようになり
ました。(出願5件以上。)
名寄せをしていませんが、松下さんと
パナさんは、同一人物?ですので、パナ
さんが一番出願多いことになります。
パナさんの直近の方法は以下のように
なっています。
【解決手段】
生体に近赤外光を照射して生体組織からの
拡散反射光あるいは透過光を受光して得られ
た信号から生体組織中のグルコース濃度を
測定するにあたり、グルコース成分の吸収
ピーク波長である1600±40nmの波長範囲から
選択した第一の波長の近赤外光と、生体組織
中の散乱係数変化の補正用として1400nm±
20nmの波長範囲から選択した第二の波長の
2波長の近赤外光とを用いる
それでは、日立さんの直近のものはどう
かいな?というと次のようになっています。
【要約】
血糖値を精度よく求めるため、血液に特有な
成分であるヘモグロビンに対して吸収の大きな
第1の波長を用いて血管部分の場所を特定し、
グルコースに対して吸収の大きな第2の波長を
用いて測定した吸光度のデータを血管部分と
それ以外の部分とで分離する。
一番直近の特開207-40159「赤外分光法を
用いた非侵襲血糖値測定方法」(個人の方)
も
【解決手段】赤外分光法を用いた非侵襲血糖値
測定方法において,光ファイバと多重反射プリズ
ムを用いた測定法を提供するとともに,グルコー
スの吸収ピーク群が現れる990~1150cm-1の
波数範囲を含む吸収スペクトルを測定し,この波数
範囲の吸収強度の積分値に基づいて血糖値を
測定する.
というように、光を使って測定する方法を皆さん
研究しているようです。
それでは、世界の大発明家ドクター中松は
どう言っているのかというと、
特開2016-041095「連続血液成分測定装置」
【課題】
近赤外線を用い非侵襲で血糖値を連続して
測定できる装置を提供する。
【解決手段】
手1Aなどの測定部位に近赤外線照射装置
20から近赤外線を照射し、近赤外線で照射
した光が体内から戻ってくる反射を近赤外線
センサー32で検出して吸光度合を調べ、
グルコース濃度を測定し、血糖値を表示する。
だそうですので、大いに期待いたしましょう。