今回もバイオミメティクス(生物模倣
技術)の話です。
よく、「バク転」のことを「とんぼ返り」と
言いますが(どっかに行って、すぐ戻って
くることも、とんぼ返りですね)、ほんとに
トンボって、空中でとんぼ返りができるん
ですね。
トンボの羽根の厚さは3ミクロンと(1000
分の3ミリですね)、非常に薄く、羽根が平ら
なのかと思っていましたが、羽根には複雑な
骨格がついており、ここに薄い透明な膜が
いろんな角度でついており、拡大すると、
羽根は不規則にデコボコしているんです。
(と、テレビで言ってました)
飛行機の翼は、風が形に沿って流れる
ことで上部の空気が薄くなり浮く力が生ま
れるわけですが、わずかな風では浮かせ
られないために、エンジンが必要なわけ
でして。
これと違って、トンボのほうは、ほとんど
風もない中でもまったく羽ばたかずに滑空
できるんだそうで、トンボの羽根の空気の
流れを調べると、羽根がでこぼこなせいで、
羽根の上の谷間で渦が生まれており、
下部の谷間には渦が生まれないため、
羽根の上下で風の流れに違いが生まれ、
渦が風の動きを加速させることで速さの
違いが生まれて浮く力が発生してるん
です。
(と、これまたテレビの受け売りです)
話は変わって、自然エネルギー利用の
風力発電は世界各地で導入されている
わけですが、日本の多くの地域では、
風速が平均4m以下だそうで、このような
地域では、大型の風車を回せないんだ
そうですね。
(そのほかに、低周波振動や、台風や
乱流による損傷、焼損なども問題に
なっていますが)
このような風の弱い地域でも、トンボの
羽根のデコボコ構造を応用すれば、弱い
風でも風力発電装置が使えるように
なるそうで。
これを研究開発しているのが日本文理
大学の小幡章先生ですので、特許の点
からどんな技術なのかを見てみましょう。
風力発電に関するものは以下となります。
古いものから順番に見て行くと、まずは、
安価にできないか、というところから出発し、
次に低風速用、さらには実環境でも耐え
得る風力発電装置の研究をおこなって
いるのがわかります。
この小幡先生、以前は日本飛行機(株)で
研究活動をおこなっており、当時、飛行機
関係の特許出願をしていたのですが、
その当時、ほかに、以下のような出願、
及び特許があるんです。
小幡先生、ゴルフが趣味なのでしょうか??
(趣味なのかもしれませんが、きっと、趣味で
発明したわけではありませんね)