「きゅうりのキューちゃん」、おいしい
ですよね。
ぱりぱりしてて。
白いご飯に、おすすめです。
(きゅうりのキューちゃんの回し者ではありま
せんので念のため)
この前、テレビで、きゅうりのキューちゃんの
話をしていました。
きゅうりのキューちゃんって、「東海漬物
株式会社」というところが作っているそうで。
この企業、創立は昭和16年(戦前ですね)、
本社が、愛知県の豊橋市、資本金2億200
万円、売上高 183億円、従業員数 660名、
営業品目は、包装つけもの主体の製造・販売
だそうです。
きゅうりのキューちゃんというのは昭和
37年(1962年ですね)の発売だそうで、
すぐにテレビ宣伝を開始し、歴代のCM
タレントは、
B21スペシャル(小園伊代(いーよはまだ~~
じゅうーろーくーだーから~~の本名ですが)
ちゃんの旦那様、本名小園浩己(こぞの
ひろみ)のヒロミさん、デビット伊東、ミスター
ちんの三人組ですね)
宍戸開
とそうそうたるもので、私はこのCMを
見たことがないのですが、東海地方だけで
流されているCMなのでしょうか???
会社沿革などを見ると、きゅうりのキュー
ちゃんが主力商品のようで、昭和52年に
10億袋を突破し、平成24年に発売50周年、
年間売上20億円だそうですね。
昔から同じ味かというと何度も時代に
合わせてリニューアルしたり低塩化をはかっ
たりしているそうで。
きゅうりののキューちゃんの商標登録も、
古いものと最新のものは以下のようになって
います。
登録日19680116/19680917
登録日20150828
特許出願も以下のように10件ほど
あり、漬物だけでなく、これを応用した
バイオ関係の研究もしているのがわかり
ます。(ほとんどが大学との共願です)
特筆すべきは、きゅうりのキューちゃんの
調味液のレシピは1人だけで決めていて、
現在の決定権者は8代目なんだそうです。
この理由として、オープン&クローズ
戦略を挙げており(テレビでは、オープン&
クローズ戦略とは言っていませんでしたが)、
レシピが漏れると、簡単に同じ味の製品が
できてしまう可能性があるため、外部に
漏れないように専任者が開発し、過去の
レシピ情報も漏えいしないように、研究所内
でも数名しか入れないという専用保管室で
厳重に管理されているんだそうです。
コカ・コーラの味の配合も、限られた人
しか知らないようにして、トップシーク
レットにしているというのをよく聞きますが、
同じ発想ですね。
しかし、研究開発は良いとして、その
レシピで調味液を調合する製造の人も
いるわけで、調合する人も多くなって来ると、
必然的に秘密漏えいが起こり得ますので、
その辺がどうなっているのか話を聞きた
かったのですが、その辺はテレビでは
取り上げていませんでした。
ということで、知財戦略ではオープン&
クローズ戦略が重要なのですが、オープン
&クローズ戦略と言っても大きく二つあり
(さらに細かく分ける人もいますが)、オープン
&クローズ戦略と言うと、漠然とわかって
いるような気がして??、実は皆さん、
それぞれ違うイメージを持っており、この
辺をはっきりさせないで議論をしているのが
一般的なため、話が収束しないということが
よくあります。
今回、私の取り上げているオープン&
クローズ戦略とは、出願時、出願すべきか、
それともノウハウ化して徹底的に隠し
通すかを検討するという戦略で、昔は
日本でも(昔と言っても10年も経たない
昔ですが)、質より量という時代があり
ましたが、現在は外に漏れて困るような
情報は特許化しないという戦略に傾いて
います。
営業秘密として漏えい訴訟に発展する
ためには、情報の非公知性、秘密管理性、
有用性の3要件が必要ですが、訴訟で
焦点となるのは、秘密管理性ですので、
「きゅうりのキューちゃん」、秘密管理の
厳重体制を構築しているのでしょう。
ということで、それではまた。