岡田美智男教授が、2017年にも、人の手を
借りなければ目的を達成できない「弱い
ロボット」の実証実験を始める、という
話が載っていました。
手をつないだ相手に合わせて歩く「歩行
ロボット」などを想定しているそうで。
あえて機能の不完全さを残し、弱い
ロボットにするのは、周囲の協力や協調を
引き出すような人の心を揺り動かす頼り
なさや、たどたどしさ、不器用さなどを
動作や声で伝え、子供の情操教育や高齢
者の話し相手などの活用を図るのが目的
だそうですよ。
歩行ロボットは、手をつないだ相手に
合わせて並んで歩いたり、ごみ箱ロボットは、
ごみを見つけると、近くの人によって、
「拾って欲しい」というような体を上下に
揺らす動作をし、会話ロボットは、困った
ように、「む~~~」、「むむむむむ」と
しか言わなかったり、言いよどんだり、
言い直したりしながら、相手の興味を
引くんだそうです。
以下は、その映像です。
http://type.jp/et/log/article/takumi_mokada
岡田先生は、いろいろな発明をしていますが、
まずは、ごみ箱ロボットを見てみると、特開
2006-102861「ロボットおよびロボットシス
テム」となっていて、
「【課題】
人との共同行為によってゴミを回収する目的
を達成しかつ人との相互依存的および相互
構成的な関係を築くことが可能なロボットおよび
ロボットシステムを提供することである。
【解決手段】
ゴミ箱ロボット100の制御用コンピュータ20は、
本体部1の周囲に人を検出した場合には、本体
回転用モータ23により人の方向に本体部1を向け
る。予め記憶された複数の行為のうちいずれかを
ランダムに選択する。選択された行為を実行する
ようにディスプレイ11、音声合成装置22、
スピーカ14、本体回転用モータ23および移動用
モータ24を制御する。所望のゴミがゴミ収容部
30内に投入された場合には、本体回転用モータ
23により本体部1を人の方に向け、感謝の気持ち
を本体部1の動き、スピーカ14による発話およぴ
ディスプレイ11に表示された表情により表し、選択
された行為の選択確率を増加させる。」
というものなんです。
「む~~~」のほうは、いろいろ出ていて、
特許3190909「知能ロボット」や、特開
2002-129989「参加型多人数会話システム」、
特開2001-273473「会話用エージェントおよび
それを用いる会話システム」、特開2006-
11002「音声応答装置、音声応答方法
および音声応答プログラム」、特開2005-
279895及び特開2005-279896「ロボット」
などがありますよ。
特開2006-11002「音声応答装置、音声
応答方法および音声応答プログラム」は、
「【課題】 使用者が初心者である場合には
わかりやすい案内をし、使用者が熟練者で
ある場合には使用者へのわずらわしさを
軽減することができる案内をするための
音声応答装置、音声応答方法および音声
応答プログラムを提供する。」ことで、
特開2002-129989「参加型多人数会話
システム」は、
「人間が参与しなくても動作が進み、その
ために人間は話し手や聞き手としてだけ
ではなく、傍観者として振舞うことができ、
たとえば外国語学習支援システムに利用
すると、学習者の持続的な学習が期待
できる。」そうですよ。