小林製薬さんから、この10月に、
「サラシア100」という糖の吸収を
おだやかにするトクホ食品が発売
されていますね。
新製品:『サラシア100®』│2016年│ニュースリリース│小林製薬株式会社
天然のサラシアを原料とし、食後の
血糖値を上昇させる糖の吸収をおだやか
にする働きのあるネオコタラノールを
含み、食後の血糖値が高めの方、食事に
含まれる糖質が気になる方に適した
食品だそうですが。
て、ゆーか、「そもそもサラシアって
何だ?」というのと、「ネオコタラノール
って何だ?」というのをまったく知ら
ないわけでして。
ということで、特許番号が書かれて
いますので、早速調べてみましょう。
(上のURLの中にも紹介されていますね)
この特許の権利者は近大マグロで有名な、
近大さん。
出願が2003年6月12日、公開番号が
特開2005-2051、特許4486792「環状
オニウム化合物およびグルコシダーゼ
阻害剤」というものです。
登録は2010年の4月にされたのですが、
その後、「無効だ、無効だ―。」などと
いう人がいて、「それじゃあ、しゃあない、
少し訂正でもするか。」などといろいろ
あったのですが、2012年に「じゃあ、
OKじゃね?」などとなって、無事、登録が
続いています。
(「 」の部分は、私の脚色ですので、
念のため。)
内容は、要約を見ると、以下となって
います。
【課題】
サラシノールなどの公知のグルコシダーゼ
阻害剤と同様な、またはより優れたグルコシ
ダーゼ阻害効果を有する環状オニウム
化合物を提供するとともに、該化合物を用い
ることを特徴とするグルコシダーゼ阻害剤、
および該グルコシダーゼ阻害剤を含有する
ことを特徴とする抗糖尿病剤または抗糖尿病
食品を提供する。
【解決手段】
下記の構造式(I)で表されることを特徴と
する環状オニウム化合物、および該化合物を
用いることを特徴とするグルコシダーゼ阻害剤、
および該グルコシダーゼ阻害剤を含有する
ことを特徴とする抗糖尿病剤または抗糖尿病
食品。
そもそも、サラシアって何だ?というのは
詳細な説明の中に書かれており、
「Tetrahedron Letters, Vol.38, No.48.
pp.8367-8370(1997)(非特許文献1)には、
インドの伝統医学で用いられてきた薬用植物の
サラシアレティクラータに薬理本態性物質と
して含まれているサラシノールが、強い
グルコシダーゼ阻害剤であることが開示され、
さらに該サラシノールの構造式が開示されて
いる。式(III)の環状スルホニウム化合物は、
該サラシノールと同様な構造を有し、同様な
グルコシダーゼ阻害作用を有するものである。
また、特開2002-51735号公報(特許文献2)
などには、サラシノールを含有することを
特徴とする抗糖尿病食品が開示されている。」
ということで、薬用植物なんだそうです。
それでは、ネオコタラノールって何だ?と
いうのは、近大から出されている再表2012/
105573「環状スルホニウム塩、その製造方法
およびそれを用いたα-グルコシダーゼ阻害
剤」に書かれており、
「R1飢餓-(CH(OH))3-CH2OHである環状
スルホニウム塩化合物の各ヒドロキシ置換基の
結合位置の立体配置は、一般式(IIc):で
表わすとおりであり、一般にネオコタラノール
(neokotalanol)と呼称されている。」
そうですよ。
尚、以下にも説明があります。
ちなみに、近大からは、サラシア由来の
成分を生かした出願がいろいろありますが、
調べると、ネオコタラノールを成分とする、
糖尿病性腎症対策の、再表2013/133390
「抗腎症薬」{近大及びタカノ株式会社の
共願)なども出ています。
ということで、旦那、小林製薬さんの
サラシア100、一つ、いかがです?
(例によって、私のほうでは、その効用、
効能を保証するものではありませんので、
念のため。
(昔、「例によって君若しくは君のメン
バーが捕えられ、あるいは殺されても、
当局は一切関知しないからそのつもりで、
尚、このテープはただちに消滅する、
成功を祈る」という有名なせりふがあり
ましたね。関係ないですが。))