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Ig Nobel Prizes その4 ぶん回された遠心力による赤ちゃん出産援助装置

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 ノーベル賞は、亡くなってしまうと

もらえませんので、可能性のある人は、

長生きしないといけないわけですが

(若くしてもらえるよう頑張ればいい

だけかも知れませんが)、イグ・ノー

ベル賞は、亡くなってからでももらえる

ようで、1999年のイグ・ノーベルMANAGED

HEALTH CARE賞は、出産する女性を

手助けするための、遠心力を利用した高速

回転円盤型装置を発明した、すでに故人の

George and Charlotte Blonsky夫妻(米国)

に栄誉が輝いています。

 

 

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 ぎょっとするような、いやはや、よく

通ったな、という特許で、大真面目に登録が

されています。 

 

 この特許は、ご覧のように、出願が

1963年1月15日、登録が1965年11月9日、

US特許番号3216423号、発明の名称は、

「APPARATUS FOR FACILITATING THE

BIRTH OF A CHILD BY CENTRIFUGAL

FORCE」となっており、まあ、出産を

手助けして妊婦と胎児を分離しますので、

centrifugal、すなわち遠心分離(力)と

いう言葉は間違ってはいないようですね???

 

 ということで、どんなことが書かれて

いるのか、ちょっと覗いてみましょう。

 

 出産では、力むことによって、産道の

摩擦や大気に逆らって、おなかの中から

赤ちゃんを押し出さなければならないわけ

ですが、昔の女性はこれに耐えるような

おなかの筋肉が自然に身についていたの

ですが、文明化した今日の女性は、これらの

筋肉の発育機会が減少しており、お産に

必要な筋肉が退化しているそうなんです。

 

 このため、この発明者は、この筋力の

衰えを手助けする装置を発明し、妊婦が

力む力を軽減できるようにしたんです。

 

 まずは、妊婦さんがFig4で所定の位置

について、安全ベルト等で体が固定され

ると、Fig5のように回転台が水平になり

ます。(なんで、上半身も診察着を脱い

でいるのか謎ですが。)

 

 もちろん、安全面を考えて、床は強度に

耐えうるようにコンクリートが打ってあり

ますし、装置はアンカーボルトで固定され、

装置には万一のためにハンドブレーキ

ついており、動力は蒸気機関となっています。

 

 装置はすごいスピードでぶん回されます

ので、産婦人科医や装置オペレーターは、

フェンスの外に出て行き、妊婦さんが

「ひーひー、ふーふー」と力むのを見守って

いて、そろそろ生まれそうだな、と産婦人

科医が判断したら、装置オペレーターに、

マシンのスタートを宣言するんです。

 

 そうすると、オペレーターはコントロー

ラーのところに移動し、ハンドルをゼロ

ポジションから動かすと、モーターが

作動し、オペレーターが、コントローラーの

電流をどんどん上げていくと、回転は

どんどんスピードアップし、遠心力が

どんどん増していきます。

 

 最高7Gまで加速でき、回転数、加速度、

G値との関係は、7Gで加速度は224ft/sec/sec、

このときの回転数は82.3r.p.mだそうです。

 

 最高G値は、あらかじめ外科医が決定

しておき、それでも赤ちゃんが生まれない

場合には、外科医しか回転数を上げる判断は

できず、オペレーター単独ではさらに回転

数を上げることができないんです。

 

 7Gも加速したら血が頭から足のほうに

移動し、鍛えていない妊婦さんなわけです

から、大変なことになってしまうような??

 

 ということで、無事赤ちゃんを出産できた

あかつきには、赤ちゃんは、綿布で保護され

た伸縮性ネット88に産み落とされ、これを

感知すると電源がオフに作動し、終了の

合図のアラームが鳴り、オペレーターは

ハンドブレーキを操作し、回転数を徐々に

落としていくんです。

 

 ということで、めでたし、でめたし?と

なるわけですが、いくら伸縮ネットに産み

落とされると言っても、赤ちゃんも、もの

すごい加速度で、ネットに落とされるわけ

ですので、大変なことになりそうな感じ

が????

(伸縮ネットがどれぐらい伸びるのかわかり

ませんが、へその緒もそんなに長いのでしょ

うか? 赤ちゃんを3人産んだことがある

大ベテランが近くにいましたので(私の奥方様

のことですが)、へその緒がお母さんと赤ちゃん

とでどのように内部でつながっているのか

聞いてみたところ、「そんなの知らない。

そんなの知らなくても、子供は生めるんだ。」

と、いばりちらされてしまいました、です、

はい。)

  

 まあ、この装置が作られたという話は聞き

ませんので、妊婦さんも赤ちゃんも助かり

ましたね。

(本当に、子供が生まれるのを手助けして

くれるのかもしれませんが??)

 

 ということで、それではまた。

 

 

  

 


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