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パテントマップ特許情報分析経皮吸収型製剤編 6 マイクロヒーラ、クオニス・Quanis、それともダーマフィラー??

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 コスメディ製薬さん、ヒアルロン酸

コラーゲンを用いたマイクロニードル

化粧品を「マイクロヒーラ」という名前で、

大出化粧品メーカーにOEM供給して

いましたが、自社Quanisブランドでも

販売しているんですね。

 

http://quanis.jp/

 

 商標のほうも、以下のように登録されて

いるんです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160507161222j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20160507161237j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20160507161323j:plain

 

 ダーマフィラーというのが、マイクロ

ニードル使用のヒアルロン酸パックのよう

ですが。

(おやじのため、よくわかりません、です、

はい。)

 

http://quanis.jp/dermafiller/

 

f:id:oukajinsugawa:20160507161422j:plain

 

 ダーマフィラーの顕微鏡拡大写真というのを

見ると、普通の針を使っているのではなくって、

ヒアルロン酸が結晶化されて針状になっており、

これが肌の中で溶けて、効率的に浸透して

いくそうで。

(これも、おやじのため、まったく知りません

でした、です、はい。)

 

 ということで、化粧品の効果についての

話は、その道のプロ??の女性の方などに

譲るとして、私のほうでは、経皮吸収剤に

ついての、まずは、コスメディ製薬さんの

特許関係を調べて行くことに致しましょう。

 

 コスメディ製薬さんの特許出願を調べると、

2005年からの出願が一番古いわけですが、

まずは、その中の、特開2008-284318

「生体由来物質からなる投薬用微細針」と

いうのを調べてみましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20160507161559j:plain

 

 要約は以下のようになっています。

 

【課題】 

従来、投薬を目的とした皮膚表面内挿入用

微細針が金属やプラスチックのような工業

材料である場合、その微細針が体内に

折れて残る事故、いわゆる体内残留事故が

課題であり、また、微細針による医薬剤投与

において、通常は針表面に塗布する方法を

とるが、経皮浸透できる量的限界があり、

十分な投与量の確保において課題である。

 

【解決手段】 

本発明の生体由来物質からなる皮膚表面内

挿入用微細針は、生体由来物質の膨潤作用に

より微細針から医薬剤を徐放させることができ、

また、体内残留事故が発生しても微細針が

生体内で溶解するという効果を提供できる。

さらに、上記生体由来物質は皮膚中の水分を

吸収して膨張し皮膚をふっくらとさせるという

美容的効果を提供できる。

 

 ということで、皮膚表面下に健康や治療の

ため医薬剤を投与したり、皮膚内に化粧剤を

挿入、皮膚栄養補助剤(サプリメント)の投与

する方法なのですが、従来、美容技術には、

皮膚表面の塗布、経皮投与のための超音波

浸透法、電気泳動、等々の技術があったの

ですが、外来物に対応する皮膚保護膜のため、

十分な量の投与ができなかったんです。

 

 さらには、ヒアルロン酸、キトサン等の多糖

類や、ゼラチン、コラーゲン等の蛋白質の水溶

物を素材とする微細針の製造方法は、射出

成形方法や、引き上げ方法では、ほとんど

成形が不可能だったんですって。

 

 そこで、コスメディ製薬さん、まずは、生体

由来物質からなる薄膜基板にV字状の

切り目を入れ、前記V字状部を針状になる

ように折り返して立てた、生体由来物質を

素材とする皮膚表面内挿入用微細針を発明

したんです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160507161638j:plain

 

 ということで、次は、特開2009-201956

「マイクロニードルアレイ」で、以下のような

マイクロニードルを発明したんです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160507161719j:plain

 

 さらに、特開2009-254756「マイクロ

ニードルアレイ」では、機械的強度が

小さい場合はマイクロニードルを皮膚表層

及び/又は皮膚角質層に刺入する際に

均一に刺入できず折れてしまい、機械的

強度が大きい場合はマイクロニードルが

均一且つ容易に折れず皮膚表層及び/

又は皮膚角質層に残留させることが困難に

なる欠点を、マイクロニードルは重量平均

分子量が小さくなると硬くなり皮膚に刺さり

やすくなるが、機械的強度が低下し保存時

や皮膚に刺入する際に折れやすくなるし、

逆に、重量平均分子量が大きくなると機械

的強度が向上し粘り強くなるので保存時や

皮膚に刺入する際に折れにくくなるが、

硬さが低下し皮膚に刺さりにくくなることに

着目し、「よさげ」な重量量平均分子量を

見出して以下のような発明となったんです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160507161802j:plain

 

 今の形状に近づきましたね。

 

 ということで、続く。

 

 

 

 


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