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Ig Nobel Prizes その6 バウリンガル?それとも、島村先生のイヌのストレスチェック?

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 2002年には、バウリンガルで、佐藤慶

さん(タカラ株式会社社長)、鈴木松美さん

日本音響研究所所長)、小暮規夫さん

(小暮動物病院常任理事)が、翻訳による

異種動物間の平和と調和を促進したことで、

イグ・ノーベル平和賞を受賞しています。

(役職等は、当時。 音響研究所の鈴木さん

(松美といっても男性です)は、声紋等の

話で、よくテレビでお見掛けします。)

 

 バウリンガルは、2002年9月の発売で、

ウイキによると、当初20万個の販売目標が、

国内外で30万個の売り上げだったそうで、

ワンちゃん用だけでなく、ネコちゃん用の

ミャウリンガルという姉妹品もありますね。

 

 2009年には、機能を強化した新型「バウ

リンガルボイス」というのが発売されて、

今に至っているようです。

 

 バウリンガル、ミャウリンガルを購入された

方は、ちゃんと翻訳されていましたか?

(持っている人の記事を見てみると、「録音

した同じ鳴き声でも、再生のたびに翻訳結果が

変わります。」などという論調も見られますが。

 

 取説を調べると、対象年齢15歳だそうで、

15歳以上じゃないと、意思疎通ができない

のでしょうか?

 

・・・んなわけは、ないと、思いますっ!!

 

 対応犬種を選択しないと分析できない

そうで、犬種ごとにしゃべる言葉が違うん

でしょうか??

 

 マイクのついた子機をベルトでワンちゃん

の首に取り付けて、親機でチェックするん

ですね。

 

 今でもバウリンガルやミャウリンガル、

販売しているのでしょうか?

 

 今では、ほかのソフトで、バウリンガル

アプリというのもありますが。

 

バウリンガル for iPhone ~犬のなき声をきもちに翻訳するアプリ~

 

 人猫語翻訳機などもあるようで。

 

人猫語翻訳機を App Store で

 

 ということで、どんな発明だったのか

調べてみましょう。

 

 前記したように、バウリンガルの発明は、

2002年9月の発売ですが、最初の出願は

2001年8月6日の実用新案で、実用新案

登録3083915「鳴き声の音声的特徴分析に

基づく犬の感情判別装置」というもので、

権利者は、株式会社インデックスと株式会社

タカラ、考案者は鈴木さんとなっています。

 

【課題】

 犬の鳴声に基づいて具体的な犬の感情を

客観的に判別する。

 

【解決手段】

 犬の鳴声を電気的な音声信号に変換し、

音声信号の時間と周波数成分との関係

マップの特徴を入力音声パターンとして

抽出し、犬が各種感情を鳴声として特徴

的に表現する音声の時間と周波数成分

との関係マップの特徴を当該各種感情

ごとに表わす感情別基準音声パターンを

記憶し、入力音声パターンを感情別基準

音声パターンと比較し、その比較により

入力音声パターンに最も相関の高い感情を

判別し、その感情別基準音声パターンは、

「寂しさ」、「フラストレーション」、

「威嚇」、「自己表現」、「楽しさ」、

及び「要求」の感情に対応する。

 

f:id:oukajinsugawa:20170125151549j:plain

 

 次は、出願が2003年2月6日という

発売後の特許4166153「鳴声の音声的特徴

分析に基づく犬の感情判別装置及びその

方法」というもので、以下のように、海外

にも出願されており、EUやUS、オースト

ラリアなどで権利化されています。

 

f:id:oukajinsugawa:20170125151610j:plain

 

 これも、発明者、権利者は上と同様で、

拒絶査定不服審判までもつれたのですが、

無事登録がされています。

 

 このときの引用文献を調べると、以下の

ようなものがありました。

 

・ 特開平5-282273「生物の挙動から

事象を判別する装置」

原子燃料工業株式会社

 

【目的】

 生物の挙動から生じている事象を正確に

判別でき、人間以外の生物とのコミュニケー

ションや天変地異の予知等に役立てることの

できる装置を提供する。

 

【構成】

 犬(生物)4の挙動は入力部1において

パラメータ化され(周波数解析による鳴き

声,尾や耳の挙動,視線,時間帯など)、

ニューラルネットワークシステム2に入力

される。このニューラルネットワークシス

テム2は、予め学習データ(挙動と事象の

組)が与えられて各ノードの重み係数の

調節がなされており、入力信号に応じて

生じている事象が判別される。判別結果

(甘えている、不審者がいるなど)は出力部

3から出力され、これにより犬4の伝えたい

情報を的確に知ることができる。本装置を

犬以外の生物に適用して、天変地異の

予知などに役立てることも可能である。

f:id:oukajinsugawa:20170125151641j:plain 

 

 私のところのイヌ(「お前は、イヌだ」、

といつも言い聞かせているのですが、

「私はスパイではありません!」と、

いつも困った顔をするイヌです。)も、

若い頃は、地震の前はそわそわ落ち着き

がなくて、家人によると、地震が来たら、

真っ先に逃げ出したと言っていましたが、

よぼよぼ老犬になったら、予知能力が

全くなくなってしまいました。

 

 やっぱり、若いうちが花ですね。

 

・ 特開2002-278583「ペットのなき方の

違いによる翻訳装置」

出願人は個人の方です。

 

【課題】

 飼い主側と犬側の二つに分けたケースの

機能により、ペット、主に犬の鳴き方の違い

による、犬の気持ちを、文字や漫画チックな

犬の絵、音声によって飼い主に伝える物で

あり、特に、耳の不自由な障害者の人には、

バイブレータの振動により、犬の鳴いた事を

知らせると同時に、文字又は浸画で、犬の

感情を理解でき、犬を飼う喜びを与える物

である、

 

【解決手段】

 (イ) 犬の鳴き声を電波に変換する装置

を内蔵した犬側ケースを、本体裏側に設け

られた犬の首輪のベルト通しで首輪につけ、

電波に変換された犬の声を飼い主側ケース1

に向け発信させる、(ロ) 飼い主側のケース

1に入力された電波を集積回路等を利用した

変換装置などにより、鳴き方の違いによる

犬の感情を、文字や漫画、音声として変換し、

変換された文字や漫画、音声は液晶画面

とスピーカーより出力され、それを目で見たり

耳で聞いたりして、犬とのコミニケーションを

図る。

 

 

f:id:oukajinsugawa:20170125152022j:plain

 

 鈴木さんの発明は、犬だけにとどまらず、

人間の感情を読み取る、特許4587854、

特許4587854「感情解析装置、感情解析

プログラム、プログラム格納媒体」という

のもあり、困惑状態などわかってしまう

そうで、奥様方に使われると、旦那さん、

浮気がすぐばれてしまいそうですね。

(結構男性のほうが、感情に鈍感なので、

奥様の浮気追及に、旦那様が使う機会が

多くなるかも???)

 

 ミャウリンガルのほうは、鈴木さん他

からの特開2005-257905「鳴声の音声的

特徴分析に基づく猫の感情判別装置」と

いうものがあり、こちらのほうは残念

でした、拒絶査定となっています。

 

 拒絶理由となった引用文献を見てみると、

以下のようなものがあるんです。

 

・ 特開平10-003479「動物等の意思翻訳

方法および動物等の意思翻訳機」

出願は個人の方。

 

【課題】

  本発明は赤ん坊、ペットや家畜等の

動物等の発声する音声あるいは動作映像の

いずれか一方あるいは両方を、あらかじめ

動物行動学等で分析されたデーターと比較

して選択し、言葉あるいはデイスプレイで

表示できるようにして、正しい赤ん坊、

ペットや家畜等の訴え等を理解できる動物

等の意思翻訳方法および動物等の意思翻訳

装置を得るにある。

 

【解決手段】

  赤ん坊、ペットや家畜等の動物等が発声

する音声を受信して音声信号にする音声

受信工程と、この音声受信工程で受信する

音声を発声する動物等の動作を映像として

受信して映像信号にする動作映像受信工程

と、この動作映像受信工程からの映像信号

と前記音声受信工程からの音声信号とを

動物行動学等であらかじめ分析された音声

と動作のデーターと比較し、いずれかの

データーを選択する比較演算工程と、この

比較演算工程で選択されたデーターを

言葉あるいはデイスプレイで表示する表示

工程とで動物等の意思翻訳方法を構成して

いる。

 

f:id:oukajinsugawa:20170125152309j:plain

  

 ちなみに、バウリンガルは、株式会社

タカラトミーさんから標準文字で、商標

登録4674587、5895473となっていますが、

ミャウリンガルの登録はありませんので、

特許出願が拒絶されてしまったので、

タカラトミーさん、意気消沈してしまった

のでしょうか?

 

・・・・そんなわけないですね。

 

 ちなみに、大阪府立大では、ペットの犬に

装着したセンサーで「心の状態」を測定する

手法を開発し、シャープと共同で、2,3年後の

実用化を目指しているそうで、2017年2月

18日の、日本獣医内科学アカデミー学会で

発表したそうですね。

 

http://jcvim.org/index.html

 

 人がストレスを感じると自律神経が影響を

受け、心拍のリスムが変化するそうですが、

島村俊介先生が、犬用の新たな解析法を

開発し、ストレス度をチェックできるように

したそうです。

(と新聞に書いてありました。)

 

 新聞によると、ご飯や音楽の好き嫌いと

いった犬の心のうちがわかるようになる、

新たなコミュニケーションツールにしたい

と、島村先生が語っているそうですが、

2,3年後の新たなイグノーベル賞候補???

 

 

 

 

 

 


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